おい、誰に惚れてんだー?
君と私の不思議な距離
「おはよう、サスケ」
「あぁ」
「挨拶をしてるんだから挨拶で返しなさい」
「…おはよう」
「よろしい」
あはは、と笑う。
少し照れているサスケが可愛い。
「教室まで一緒行こう」
「あぁ」
サスケとはやっとここまで仲良くなった。
前まではこんな風じゃなかった。
サスケはどことなく人より冷めてて、でもその分、人より優しくて、そんな人だ。
私はサスケの時々見せるその優しさにとてつもなく弱い。
でもその優しさはすっごい分かりにくくて、きごちなくて。
「今日の荷物いつもより重たくないですか」
「そうか?」
「うん、てゆーかなんで階段なんだろう。エスカレーターとかつけてほしいな」
「費用に無理があるだろう」
「そんなもっともな意見言わないでー」
ふっと軽く微笑むサスケを横目で見た。
「あ、そうそう 今日ね、選択授業の家庭科でお菓子作るんだ もらってくれますか」
「菓子…甘いのか?」
「…あ、そっかぁ たしか甘いもの駄目なんだよねーじゃあ無理かな クッキーだから ごめんね、無理言って」
「いや、悪い」
「謝らないでー悲しいから」
また、ふっと笑うサスケ。
そして
「甘くなければ食べれる」
と、言った。
「え」
やっばぃいいいい
不意打ち。
なんて、思ってたらサスケはとことこと先に行ってしまった。
「はい、甘くないの作ります」
サスケの不器用な優しさを知って、学校に来るのが楽しくなった。
毎日近づいていく距離を感じるのが嬉しかった。
「惚れてんのかなー」
昔から思った事は自然に口に出るタイプだった。
案の定、私の声は授業中の静かな教室に響いた。
「おい、誰に惚れてんだー?」
「あはははは」
「ごまかすなよーまさかオレ?」
「馬鹿じゃないですか。キバなわけないないー」
「なんだと!?オレだってなぁ、バレンタイデーにチョコの一つや二つ!」
「一つや二つかよ」
そういえば、バレンタイン。
サスケくんは想像できないほどのチョコをもらってそうだな…。
『そこの二人、うるさい。』
ギロリと睨まれた。
通称ヘビ先生にに睨まれたキバと私は文字通り、ヘビに睨まれた蛙。
そのまま廊下行きとなりました。
「キバのせいだからねー」
「元はといえばお前のせいだ」
「私の独り言は昔からでしょーあそこで反応するキバが悪い」
「その後言い返さなきゃいいだろー」
「はぁ?キバを好きなんじゃないかって言われて否定しないでいれるわけないでしょ」
「ムカつく」
「もー、キバのせいで成績下がったらパシリねー」
「オレのが心配だし あーまじわかんなくなってくー」
廊下から黒板を覗き込みながら言うキバ。
私とキバは幼馴染だ。
まぁ、言いたいことをズバズバ言い合える仲だ。
なんでも言える仲ではないけど。(だってこいつ口軽いし)
「もー、廊下では静かしないとまじ響くよ」
「なぁ、もうこのまま屋上に行こーぜ」
「そんなことしたらどんだけ説教されるか」
「いーじゃん 大丈夫だって」
「…」
今日は天気もよくて、屋上に行ったら気持ちよさそうだなぁとは思った。
駄目だ、駄目だ。流されるな。
「駄目だよ」
「ちぇ なんだよいい子ちゃんめー」
むにーとホッペをつねられる。
「いたー」
「よく伸びるなーほっぺにまで脂肪つけんなよー」
「なっ…そんなに屋上行きたいなら一人で行きゃあいいじゃん」
「一人じゃつまんねーもん」
ぷーとホッペを膨らます。
くそぅ、こいつ。つねり返してやろうか。
そっと教室の中をうかがうと、サスケと目が合った。
あれ、なんか怒ってますか
⇒もしかしてヤキモチですか。嬉しいなー。
すると、キバが私のソデを引っ張った。
「ねーぇ、まじお願いー 屋上行こうぜー。」
⇒仕方ないなぁ。行っちゃおうかな。
"The distance that is my wonder with you" To be continued...