私のこと好きなんでしょー?ねー、ねー
正反対だっていいじゃない
「ねーねーお腹すいたー疲れたー遊び行きたーいデートしたーい」
私が不満をぶちまけてもサスケは隣で黙々と修行を続けている。
「ねぇもうやめよ?ボロボロだってーてゆーか体もたなーい」
先ほど相手にされなかったのでサスケの服をつんつんと引っ張る。
「オレはまだやる。」
「なんでよーボロボロなのはサスケも一緒だよー」
「まだ大丈夫だ。」
「どこがよーそんなんじゃ明日また修行できなくなっちゃうよー?」
「…。」
「ほら、今日のところはここまで!はい、しゅーりょー!」
そこらじゅうに落ちている忍具を片付ける。
こうすればもう文句は言うまい。
サスケは軽く舌打ちをし、一緒に忍具を拾いはじめた。
なんだかんだ言っても、こういうやつなんだよね。サスケって。
「ねーねー終わったらデートしよー」
「断る。」
「えーえーえーえーえーなんでよー!?」
「そんな元気があればまだ修行を続けてる。」
「むふー、んじゃあ今度!ねっ!?明日?」
「断る。」
「えぇぇえええーじゃあ、いつ!?」
「…そんなことより今は修行だ。」
「なんでっ!?じゃあ、いつになったらデートしてくれるの!?」
「…オレが強くなったら。」
「……それなら今すぐ行こっ!」
「あ?」
「サスケは強いじゃん、今も!」
「今は全然、」
「男に二言はないでしょーまさかあるわけないよねー」
「オレはこんなんじゃ全然強くないんだよ。」
「誰がサスケ視点で見て強くなったらって言ったの?」
「…。」
「もちろん私から見てに決まってるじゃなーい、サスケは私よりめちゃ強いし、全然OKだと思うんだよねーてゆーか絶対OKだしー」
「…。」
「よし、それじゃあ汗とか流したいしねー何時に待ち合わせしよっか?もう夕方だねーよし、それじゃあ思い切って夜に会おう!7時にまたここね!よし、じゃあねーサスケーまた7時にここでー」
「おいっ!」
私は後ろから呼びかけるサスケの声を思いっきり無視して走って家に帰った。追いかけてこなかったのはサスケの優しさだと思う。
夜に会おうって言ったのはなにもやましい気持ちがあったわけではなくて…(ちょっとあるけども)花火がしたかった。驚かせてあげよう。花火を持って。
色々支度をすませて待ち合わせの場所へ行くとそこにはすでにサスケの姿があった。多分お風呂に入ったのだろう。髪はまだあんまり乾いてなくて私服だ。シンプルでサスケらしい格好。
驚かせてやろうと思って忍び足(いちよう忍びだし)で近づいた。
「おい。」
「うぇっ!?」
「バレバレだ。」
「あはーそーですかー」
バレバレでも別にいい。真の目的は驚かせることじゃなくて抱きつくこと。私はそのまま一気に走ってサスケに思い切り抱きついた。
「お前…。」
「あはーサスケいーにおいーお風呂入ったんだね。」
サスケのつかってるシャンプーの匂いがふんわりとした。私今すごい幸せだー。
「重い、暑い、離れろ。」
「そんなこと言っちゃやーだー」
ふざけている私にサスケはため息一つついたけど、私を無理やりおとすようなことはしなかった。しなかったから、安心してそれからちょっとの間そのままでいた。サスケの首にしっかりと巻きつけた腕にサスケはちょっとだけ手をそえてくれた。
「ん、ありがとう。」
「…で、どうするんだ。」
「あ、そうそう。これ。」
と、腕にかけていたビニル袋を指差す。
「…花火?」
「そうそう!しようっ!」
「別にいいが…。」
「よしよしよーし、火、火、火!」
「…。」
「…。」
「…。」
「…忘れたー。」
「ウスラトンカチ。」
「サスケェェェェェェェェ…」
仕方ないなと、サスケは軽く花火セットについていたロウソクに火遁の術をやってくれた。
「きゃあああああっ」
「…」
「うわっ、うおっ」
「…」
「…ねー、サスケーつまんないじゃん…線香花火ばっかやってないで、仕掛け花火もしようよ。ほら、打ち上げもあるよ。」
「…」
「しかも、まだ上手いし。まだ落ちないの?」
「静かにしろ」
「もーしょうがないなぁ」
隣に座ってサスケの顔を見る。軽く濡れた髪と夜の暗さ、線香花火のほのかな光がなんともいえない雰囲気をかもし出していた。
「かっこいー」
ぼとっ
刹那、ずっと続いていたサスケの線香花火が下に落ちた。
「あーぁ。さっ、違う花火やろう」
「…余計なこと言うから」
「え?あぁ、かっこいーって?いやー、なんかサスケいつもより一層かっこよくてさー。つい言っちゃった。ごめんね?集中力切れちゃった?」
「…」
「なんかいいよね。雰囲気が。夜って」
「夜か」
「うん。昼はあんなに暑いのに夜になるとこんなに過ごしやすくなるんだよね。すごいよね。なんか空気も、昼と違って澄んでるって感じ」
「それは、解る。」
「うん、気が合うね。やっぱり運命?」
「調子に乗るな」
「絶対運命だよね。サスケと同じ場所に生まれるだけでも奇跡なのに、愛し合うなんて…もうこれは運命としか言い様がないよねっ」
「…愛し合う?」
「愛し合ってるでしょ?」
「…」
「えっ嘘っ!」
「…」
「本当に?勘違い?」
「…」
「いやー!え、本当に?自意識過剰なの?えぇっ、ほんとに?」
「…」
「きゃー、ちょっと待ってよ、恥しいって!やー、ば、ばいばい!」
走って帰ろうとした。
けど、やっぱり私は自意識過剰じゃなかったみたいで。
私の唇はサスケと重なっていた。
「ほぁ?」
「勘違いなわけ、ないだろ」
サスケは顔をふせる。
でも、かすかに見える耳が真っ赤だ。
「好きじゃなかったら、今一緒にいない。」
「…そっか!うん、ありがと。私もサスケ大好きだよ!」
「…声がでかい」
「大好きよー!サスケー!」
「叫ぶな!」
お笑いコンビだって、ボケとツッコミだし。そんな感じのバランスで私たちは成り立ってるんだと思う。ただ、今は、愛してるって胸を張っていえることが、とてもとても誇りです。
"Even the complete opposite is good" The end...