いつも聞こえる明るい声

ちょっとうるさくて、可愛くて































あぁ、もう本当に

























「ねぇ、くん」

「え?」

本当に、唐突に、突然、当たり前のように隣の席に座ってくる
本当、困る

「ここ座っていい?てゆーかこの授業みんないないんだよね。知り合いはくんだけっ」

「あ、あぁ。別にいいけど」

「ありがと!」

オレは、だいたいが葵井と同じ授業だ
その理由は、多分本人は気づいていないと思う
その鈍さは見てれば分かる

「でもさぁ、いつもくんと授業一緒だよね!すっごい偶然」

「…そうだな」

「気がつくといつもいるんだもん」

「…そうか?」

「うん。だいたい、いるよね。でも、今日もいるよねって思うといなかったり、する」

遠い、目
誰が見えているのか

「そういうところは、似てるかな」

「あ?」

「ううんっ、でも実を言うとあんまりこの授業好きじゃないんだよねっ取るんじゃなかったかなぁ」

「…そうか?」

「うーん、元々興味なかったしねっ」

じゃあ、なんで取ったんだよと、突っ込むほどオレは鈍感じゃない

「…でも、オレも、あんまり興味ない」

「え?じゃあなんで取ったの?」

「…」

頼むから、察してくれ

「興味ないから、取った」

「…すごい!やる気ないけど準備OK!みたいなっ」

「ま、そうだな」

ほんと、天真爛漫だよな
羨ましいし、ほほえましいし、

こんな葵井に惹かれる輩がたくさんいるのは知っている
もちろん、自分がその一人だと言うことも
わりと分かりやすく接していると思うんだが


「ふはぁーっ」


ため息のような、あくびのような、そんな声を漏らしながら背伸びをする葵井


「早く終わらないかなーっ」

「何かあるのか?」

「うんっ智ちゃん達とカラオケェ」

「そうか」

「私ねっこう見えてカラオケ上手いんだよ!演歌とかバッチリなんだから」

「…本当か?」

「本当だよっ」

「そりゃあ、見てみたいな」

必死で、手をぶんぶん振り回して言う葵井
ふ、と緩んだ、口が

「…笑った」

「あ?」

「今、笑ったよね!」

「え、あぁ」

「すごいすごい!私くんが笑ったの初めて見た!」

「そうなのか?」

「わーいっ見ちゃったー!」

「そんな喜ぶことでもないだろ」

「なんで?可愛かったよ!」

「いや、嬉しくないし」

「あははっ」

お腹を抱えて楽しそうに、嬉しそうに、きゃらきゃら笑う葵井
これだ、いつものように
こんな些細なことなのに、心底楽しそうに、嬉しそうに

「あーお腹痛いよーひー」

「大丈夫か?そこまでおかしいことじゃないだろうに」

「おもしろいよ!てゆーかおもしろい!」

同じことを二度言って再び笑う葵井


まぁ、いいかな
今はこれくらいでも

このくらいの距離でも

一緒に、笑えれば、それで



この距離で、この笑顔で



「あ、そうだ!今日一緒にカラオケ行こうよ!葵井巫女子、演歌歌っちゃいます!」




"Oh, already in the truth" The end...


















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