いっつもピリピリカリカリ殺気立って不機嫌で自己中で馬鹿で素直じゃない。 なんで私はそんな人が好きなんでしょうか? 私のタイプはどっちかっていうと、ほのぼのしてて優しくて素直で周りのことよく見てるような・・・正反対じゃない?そう、アレンくんみたいな。 鼓動の音が一番のしるし 「何考えてんだ」 「うわあっ」 びっくりした。通り過ぎざまに神田が話しかけてきた。びっくりびっくり。 「びっくりするなあ・・・何よ急に」 いつもは話しかけてくれないし、話しかけても返事さえしてくれないときもあるのに。 「珍しく難しそうな顔してるからだ」 「何よ珍しくって・・・失礼ね。私だって神田じゃないんだから、考え事くらいします」 「あ?」 こわ 「なーんでもないよ、ユウくん」 「・・・」 火に油を注いだようだ。眉間の皺がグレードアップしてこちらに近づいてくる。 「え?」 と、思ったら通り過ぎていった 「・・・神田?」 話しかけても返事なし。本当に怒ってる…。 「ねえ、神田!」 「・・・」 「神田神田神田!」 「・・・」 「神田ってば!」 「・・・」 だめだ。しかも逃げる速度がだんだん速くなってる。 「はあ」 とうとう息が上がって追いつけなくなってしまった。 「あー・・・もうどうしよう」 まずいよね。さすがにまずいよね。好きな人に嫌われるなんてまずいよ。 「・・・なんで好きなんだっけか」 「なにが好きなんです?」 「うわあっ、アレンくん!」 「どうかしたんですか?さっきからため息ばっかですよ。さんらしくない」 「うーん・・・神田をさ、怒らせちゃってね」 「神田ですか。いつも怒ってるじゃないですか」 「いや、まあ・・・そうなんだけどね」 苦笑。アレンくんとはいつも喧嘩してるもんね。正反対なんだから、衝突するのも当たり前か。正反対。私はなんで・・・・・・? 「・・・僕の顔に何かついてます?」 「えっ!いやいや何も。ごめん、ついぼーっと」 思わずアレンくんの顔を見てしまった。こんなに近くに、顔が当たるほど近い距離にいるのに何も感じない。もし相手が神田だったら、こう思うことはなくて・・・。 「あ、神田!」 「えっ?」 アレンくんが向いた方を見ると、確かに神田がいた。 けど、何か衝撃的な顔。 「神田っ・・・!」 かと思うとものすごい剣幕になってすぐに立ち去ってしまった。私はというと追いかけることもできず、ただ突っ立ったまんま。 「神田・・・」 「何か勘違いさせちゃったかもしれませんね」 「え?」 「追いかけなくていいんですか?謝るんでしょ?」 「え、あ、うん!」 っと、 「あ、アレンくん!」 「はい?」 「ありがとう!」 「・・・さんは本当に神田が好きなんですね」 「・・・えっ?」 そんな話をアレンくんにしたことはなかった。 「頑張ってください」 「・・・うん!ありがとう」 走り出す 鼓動は想い まっすぐに 手を 「神田!」 神田の腕をつかんだ。つかまえた。 「・・・」 「・・・無視は、止めてよ・・・」 「・・・なんだ」 「その、なんか・・・さっきはごめん」 「・・・お前はモヤシと仲良くしてろ」 「え?アレンくん?」 「・・・」 心臓は破裂ギリギリ 引き寄せる 一瞬がゆっくりと流れて そっと触れる 「何、してんだよ」 「また、逃げるじゃん」 「逃げねえよ」 神田の背中に、しっかりとしがみつく。意外と華奢なその背中は神田のにおいがする。 手が、震える。 「だから、さ・・・私が仲良くしたいのは、アレンくんじゃなくて・・・」 「・・・」 「か、」 「・・・」 「か、」 「・・・」 「かん、・・・」 「あー!ゆうな!」 「え?」 見えない、神田の顔を見上げる。 「ふっ・・・」 思わず笑ってしまう。 「笑うな!見るな!」 後ろからで、顔は見えなくても。耳が真っ赤。 「・・・言わなくてもいいの?」 「分かる」 「・・・つまんない」 「なんだそれ。散々どもってたじゃねぇか」 「ユウ、好きよ」 初めて、彼は下の名前を呼んでも怒らなかった。 |
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